トレーニングシステムへのチャレンジ

トレーニングの要素 
 Intensity(強度)Volume(量と頻度)Rest(休息、どのくらい)

チャレンジ:Threshold/FTPベース
 データを用いて一般的なルールを導き出す。⇨当てはまらない人もいる。 
⇨より良い一般化できるシステムが必要。真に個別化する必要がある。

個別化の要素
 Strength: Neuromuscular Power(神経筋パワー)、Force(力)、Strength(強さ) 
 Metabolic: Anaerobic Capacity(無酸素能力),Aerobic Capacity(有酸素能力)
 Fatigue(披露): Endurance(持久力),Stamina(スタミナ),Resistance(抵抗力)

Power Duration カーブ:パート2
 Sigmoid Curve(S字状のカーブ)を描く。
 なぜSigmoid Curveなのか?
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  エネルギー・システムの観点から
   3つのシステム(二つの無酸素系(ATP-CPと回答系)と有酸素系  
   個人個人で3つのシステムの働き方は異なる。
   3つのシステムは線形に、あるいは直線的に移行するわけではなく、カーブを描く。
   一度に1つのシステムだけが働くわけでなく、3つのシステム全てが貢献している。
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(青がATP-CP,赤が解糖系、緑が有酸素系がメインで働いている部分)

個人のエネルギーシステムがどう働いているかを見るために
FTP-Contribution withTTE
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青い線がFRCで無酸素系のパワー、緑が有酸素系のパワー。二つ合わせると赤のPDカーブになる。

MLSS:Maximal Lactate Steady State
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FTPは有酸素パワーで、MLSS(最大乳酸閾値)と相関する。FTPはあくまで有酸素パワーであり、(無酸素系との)複合パワーではない。
(*これまでのFTPモデルでは有酸素域しか評価されないために、トレーニングモデルから外れる人が出てくるということのようだ。)

トレーニングの進化
 ランダムなトレーニング→一般化したトレーニング→個別化トレーニング

Individual Training Footprint
 そのアスリート独自のフットプリントに基づいた個別化トレーニング
  アスリートの持っている身体能力を定量化して観察する
  特徴的な長所と短所を見つける
  パワーや心拍だけでなく現在の潜在的身体能力への適応を測定してDose-Response関係(トレーニング量と身体の反応の関係)を評価する。
  レスポンスと適応の洞察を高める

トレーニングを個別化する:iLevels

 FTPベースのトレーニング・レベルは、FTPの何%という指標。
 例えば、Level3はFTPの76−90%といった風で、個別化されない。
 Neuromuscular Powerに至っては、Maxである。
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上はMMPがFTPの何%に当たるか、のグラフ。持続時間が短いところほどバリエーションにとんでいる。例えば10秒では、FTPの250%から400%以上まで、と幅広い。
30秒のところを見ても幅広く、これはFTPベースのLevel6(121−150%)では網羅できない。

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上の図の五本の横線はFTPベースのトレーニングレベルを表している。
FTPレベル以下(赤丸)では個人間のばらつきは少なく、FTPベースのクラシックトレーニングが有効。一方でFTPレベル以上(青丸)ではばらつきが大きく、クラシックトレーニングでは対応が難しい。

iLevels (i;indivisual)
 個別化の革命ではないが、進化である。
  FTPはトレーニングレベルのアンカー(基礎部分)
  トレーニングレベルは%で示される
  ベルカーブに基づいて範囲が決まる
  範囲はIF,TSS,PMCなどに基づいて決まる

二人のライダーのPDカーブを示す。横線はクラシック・レベル。一人目はジェーン。

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二人目はジョー。短時間の出力が大きく違うのでグラフの形が違って見える。
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が、縦軸を揃えてみる(ジョーの短時間出力はスケールアウトして見えなくなる)

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と、よく似た形に。
実際にクラシック・レベルを比較すると、

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ジェーンとジョーは同じトレーニングをすれば良いのか?

そこで、iLevelで比較。

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FTPレベル以上(Level5以上)での違いが明確になった。

クラシック・レベルとiLevelの比較。

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7aはロングスプリント、7はショートスプリント(200mとか)

PDカーブの算出法は秘密だが、
特徴的なポイントがある。
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エネルギーシステムでいうと、下図の星の部分。

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エネルギーシステムと対応時間。
運動強度によって、動員されるエネルギーシステムの割合が変わる(下図)
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これらを元に、

最適化したインターバル Optimize Interval
Tiz:Time in Zone

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インターバルトレーニングの指標、左から
レベル、エネルギーシステム、持続時間、目標出力(高)、目標出力(低)、繰り返し回数、総滞在時間(目標ゾーンの総時間)、リカバリー時間