すでにバリバリ走っている人には釈迦に説法だと思います。

引き脚、必要ない、なんていう人もいますが、絶対に習得すべきです。

ビンディングペダルを使用する意味は

1.足の固定
2.引き脚の活用
です。

引き脚は、踏み脚にくらべて出力が小さいから必要ない、なんていうことを言っている人もいますが、ウソ。

まず、ペダリングでもっとも大きな力を発揮しているのが重力。
脚の重さだけでペダルは下がっていきます。
筋力により発揮されるペダリングパワーは、状況により異なります。

平地巡航で考えます。
この場合、やはりもっとも大きなパワーを発揮しているのは重力。
一方で、ネガティブなパワーとなるのは踏んでいない脚の重力(クランクを逆回転させようとする)。
このネガティブなパワー(トルク、逆方向に回転させようとする力)を打ち消すのが引き脚。
引き脚を意識するとおよそ5-20%くらいのパワーが加算される感覚です。 
5%なんて微々たるもの、って言う人もいますかね?
300Wの5%は15W。
このレベルでの15Wをひねり出すのがどれほどきついかは、TTやヒルクライムやっている人は実感しているはずです。

スプリントをのぞけば、(重力以外の)踏み脚の筋力で生み出されるパワーは 引き脚とくらべて膨大、ではないと思います。(パワーメーターでは重力による力と筋力による力はわけて表示されないので、正確な値はわからない。どこかにデータありますかね?計算すればいいのか。)

計算してみた。間違ってたら教えてください。

クランク長 0.17m クランクは90度の位置のみ考えて、トルクを比較。
脚の重さ10kgとすると
脚の重さによるトルクは0.17X10=1.7kgf
 
150W、90回転でのトルクを計算すると
150/735/90/0.0014=1.619kgf

200W、90回転では
200/735/90/0.0014=2.15kgf

300W、90回転では
300/735/90/0.0014=3.24kgf

300W、110回転では
300/735/110/0.0014=2.65kgf

150W、90回転だとまったくふまずにペダルはまわっていく、ということになります。
(90度の位置、最大トルクのみをみているので正確ではありません)

視点をかえて引き脚、について考えてみる。
もし引き脚をつかわなければ10kgの脚ならば、
0.17X10kgfの逆回転のトルクがかかる(270度の位置で)
これを打ち消すパワーは90回転では
1.7X90X0.0014X735=157.4W

引き脚を使わなければ、同じ出力を得るために、90回転で157W相当の余計な力で踏む必要があるということか。
実際には角度によってもっと小さくなるのでここまでにはないにせよ、実感として5-20%程度の違いはある。