CYCLINGTIPS
原題:How does stem lengty affect a bike's steering and handling?
より覚え書き。
マーシャル・テイラーが19世紀末に調整可能なステムを発明したとされている。これはアメリカ、ついでヨーロッパで多数のレースでの勝利をもたらした。
やがて丈夫なワンピースデザインが主流となり、ライダーは自分にあった長さのステムを使ってハンドルバー・リーチを調整するようになる。
今日では50mmの短いものから長い150mm、また様々な角度のステムが選択でき、ハンドルバーの位置を調整できる。
この広い調整幅のお陰で、ライダーは様々なサイズ、ジオメトリーのフレームを選択できる。しかし、問題が発生する。バイクにたいしてステムが長すぎたり短すぎることはあるのか?理想的な長さはあるのか?
単純な公式はない
カスタム・フレームビルダーがステム長に関するもっとも重要な情報源ではなかろうか。彼らの仕事は顧客に理想的にフィットしたバイクを提供することであり、その仕事の一部として、彼らが作るフレームそれぞれにもっとも適合するステムを決定するプロセスを含むのだから。
スティーブン・イェガーにきいたところ、よいハンドリングを保つため、フレームサイズにあわせて、ステム長が一定の範囲に収まるようにしている。適正でないフレームサイズを、短い、あるいはとても長いステムで帳尻をあわせるのはよろしくない。
リチャード・クラドックはこういう、「一般的には中くらいの長さのステムがベストバランス。もちろんライディングポジションによるし、適正なトップチューブ長のフレームであることが前提だが。」
「身長ではなくて、体幹の長さによる。体幹が長いライダーは長いステムとバーリーチの組み合わせがよい。」
「アグレッシブにバイクにのると、よりステムも長くなる。他の条件が同じでも、ツーリングバイクとくらべるとレースバイクはステムが長く、前輪への荷重がより大きくなる 」
ライアン・ムーディーによれば
「ステム長はバイクのデザインにより異なる。また、ライダーの快適性、身体的特徴、パフォーマンス、バイクのステアリングとハンドリングにもよる。最適なステム長は、ライダーの各要素にたいする優先度による。なぜならリラックスポジションはパフォーマンスを損なう。理想的な生体力学状態にするのは必ずしも容易でない。」
極めて個人差があるので、ステム長を決める簡単な公式はない。しかし、すべてのライダーに影響する、二つの議論する価値のある項目がある。
重量配分
話を単純化するために、ステム長がかわってもハンドルバーリーチがかわらないバイクで考えてみよう。
この環境ではステム長は、前輪にどれだけの荷重がかかるかを決める。
ステムが長いほど前輪への荷重はふえて、バイクはより安定、特に高速域で安定する。プロライダーが短めのフレームと長めのステムを選ぶのはこのため。安定性が増すと、風の強い時に、ディープリムホイールを扱いやすくなる。
もうひとつの重要な事項は、どこに荷重がかかるか、だ。
理想的にはライダーの(フロント)荷重はフロントタイヤの設置面に近い必要がある。長いトップチューブに短いステム長だと、前輪の接地感がへる。前輪に荷重がかかりすぎても同様にハンドリングが曖昧になる。
ステア角
短いステムのほうがクイックなハンドリングになるが、繊細な扱いが必要。
短いトップチューブにつけた、あまりに長いステムはハンドリングが鈍重になる。
ライダーの手が、ステアリング軸よりあまりに前にあると、低速でのハンドリングがわるくなる。
最終的には自転車のステアリングはステム長でなく、ヘッド角とトレイルで決まる。しかしステムはある程度ステアリングを鋭敏にしたり鈍重にしたりする。
短いステムはバイクのステアリングをクイックでナーバスにし、長いステムは逆。
女性のステム長
女性は一般に体幹が短いので、短いステムが必要。体幹が短いと前輪への荷重がへる。ある程度フレーム(トップチューブ)を短くできるが、爪先が前輪に重なってしまうので限度がある。いくつかのブランドは爪先の重なりをさけるためにヘッドアングルを減らして前輪を遠くに(前方に)配置している。これはトレイルが大きくなり、フォークオフセットが逸脱するため、ばったり倒れる奇妙なハンドリングになる。こうなるよりは、短いステム用にデザインしたほうがよい。
要約と結論
ほとんどの場合、ライダーは自由にステム長を決められるわけでなく、自転車上でのポジションを微調整するためにステム長を変更する。この方法には異論はないが、フレームサイズやジオメトリーを決める際には最終的なステム長を熟考する価値がある。
理想的には、ステアリングを安定化し、タイヤのグリップをよくするために、前輪にライダーの体重の一部を荷重するに十部な長さのステムがのぞましい。と同時に、バイクのヘッド角とトレイルと同調するステア角を持つステムであるべきだ。
絶対的な話ではないが、一般的に長めのステムはロードバイクに適合する。というのもライダーは高速で走ることが多く、それゆえ長めのステムによる安定感の恩恵が大きい。おおざっぱにいえば、長めのステムは 100-120mm、とても長いステムは130mm以上、短いステムは90mm未満、である。
自転車全体でみればステム長の影響は比較的小さい。ほとんどのライダーはどんな長さのステムでも、自分にあったリーチ長に適合させてしまう。とはいえ、理想的なステム長は、バイクのステアリングとハンドリングの質をたかめ、完璧にする。
<以上>
原文はこちら。誤訳はご指摘ください、完訳してません、はしょってます。
個人的な経験では、結局使ってみる、のが一番。自分はフレームサイズ520のTREKにのっています。つるし、では90mmのステムがついてました。ではじめはそのままのっていて、ロードバイクになれてきたら、まずはスペーサーを調整してハンドル高をさげてみました。このポジションになれてからステムの天地をひっくり返し(よりハンドル高さが低くなる)。これでもハンドルが近い、と感じるようになってステム交換。100mm,110mmとためして、最終的に現在の100mmに落ち着きました。(この過程はショップに相談しながら)信頼できるショップで相談しながら調整していくのがよいと思います。実際に走っているところを見てもらえる、練習会を開催しているショップがよいかと。
原題:How does stem lengty affect a bike's steering and handling?
より覚え書き。
マーシャル・テイラーが19世紀末に調整可能なステムを発明したとされている。これはアメリカ、ついでヨーロッパで多数のレースでの勝利をもたらした。
やがて丈夫なワンピースデザインが主流となり、ライダーは自分にあった長さのステムを使ってハンドルバー・リーチを調整するようになる。
今日では50mmの短いものから長い150mm、また様々な角度のステムが選択でき、ハンドルバーの位置を調整できる。
この広い調整幅のお陰で、ライダーは様々なサイズ、ジオメトリーのフレームを選択できる。しかし、問題が発生する。バイクにたいしてステムが長すぎたり短すぎることはあるのか?理想的な長さはあるのか?
単純な公式はない
カスタム・フレームビルダーがステム長に関するもっとも重要な情報源ではなかろうか。彼らの仕事は顧客に理想的にフィットしたバイクを提供することであり、その仕事の一部として、彼らが作るフレームそれぞれにもっとも適合するステムを決定するプロセスを含むのだから。
スティーブン・イェガーにきいたところ、よいハンドリングを保つため、フレームサイズにあわせて、ステム長が一定の範囲に収まるようにしている。適正でないフレームサイズを、短い、あるいはとても長いステムで帳尻をあわせるのはよろしくない。
リチャード・クラドックはこういう、「一般的には中くらいの長さのステムがベストバランス。もちろんライディングポジションによるし、適正なトップチューブ長のフレームであることが前提だが。」
「身長ではなくて、体幹の長さによる。体幹が長いライダーは長いステムとバーリーチの組み合わせがよい。」
「アグレッシブにバイクにのると、よりステムも長くなる。他の条件が同じでも、ツーリングバイクとくらべるとレースバイクはステムが長く、前輪への荷重がより大きくなる 」
ライアン・ムーディーによれば
「ステム長はバイクのデザインにより異なる。また、ライダーの快適性、身体的特徴、パフォーマンス、バイクのステアリングとハンドリングにもよる。最適なステム長は、ライダーの各要素にたいする優先度による。なぜならリラックスポジションはパフォーマンスを損なう。理想的な生体力学状態にするのは必ずしも容易でない。」
極めて個人差があるので、ステム長を決める簡単な公式はない。しかし、すべてのライダーに影響する、二つの議論する価値のある項目がある。
重量配分
話を単純化するために、ステム長がかわってもハンドルバーリーチがかわらないバイクで考えてみよう。
この環境ではステム長は、前輪にどれだけの荷重がかかるかを決める。
ステムが長いほど前輪への荷重はふえて、バイクはより安定、特に高速域で安定する。プロライダーが短めのフレームと長めのステムを選ぶのはこのため。安定性が増すと、風の強い時に、ディープリムホイールを扱いやすくなる。
もうひとつの重要な事項は、どこに荷重がかかるか、だ。
理想的にはライダーの(フロント)荷重はフロントタイヤの設置面に近い必要がある。長いトップチューブに短いステム長だと、前輪の接地感がへる。前輪に荷重がかかりすぎても同様にハンドリングが曖昧になる。
ステア角
短いステムのほうがクイックなハンドリングになるが、繊細な扱いが必要。
短いトップチューブにつけた、あまりに長いステムはハンドリングが鈍重になる。
ライダーの手が、ステアリング軸よりあまりに前にあると、低速でのハンドリングがわるくなる。
最終的には自転車のステアリングはステム長でなく、ヘッド角とトレイルで決まる。しかしステムはある程度ステアリングを鋭敏にしたり鈍重にしたりする。
短いステムはバイクのステアリングをクイックでナーバスにし、長いステムは逆。
女性のステム長
女性は一般に体幹が短いので、短いステムが必要。体幹が短いと前輪への荷重がへる。ある程度フレーム(トップチューブ)を短くできるが、爪先が前輪に重なってしまうので限度がある。いくつかのブランドは爪先の重なりをさけるためにヘッドアングルを減らして前輪を遠くに(前方に)配置している。これはトレイルが大きくなり、フォークオフセットが逸脱するため、ばったり倒れる奇妙なハンドリングになる。こうなるよりは、短いステム用にデザインしたほうがよい。
要約と結論
ほとんどの場合、ライダーは自由にステム長を決められるわけでなく、自転車上でのポジションを微調整するためにステム長を変更する。この方法には異論はないが、フレームサイズやジオメトリーを決める際には最終的なステム長を熟考する価値がある。
理想的には、ステアリングを安定化し、タイヤのグリップをよくするために、前輪にライダーの体重の一部を荷重するに十部な長さのステムがのぞましい。と同時に、バイクのヘッド角とトレイルと同調するステア角を持つステムであるべきだ。
絶対的な話ではないが、一般的に長めのステムはロードバイクに適合する。というのもライダーは高速で走ることが多く、それゆえ長めのステムによる安定感の恩恵が大きい。おおざっぱにいえば、長めのステムは 100-120mm、とても長いステムは130mm以上、短いステムは90mm未満、である。
自転車全体でみればステム長の影響は比較的小さい。ほとんどのライダーはどんな長さのステムでも、自分にあったリーチ長に適合させてしまう。とはいえ、理想的なステム長は、バイクのステアリングとハンドリングの質をたかめ、完璧にする。
<以上>
原文はこちら。誤訳はご指摘ください、完訳してません、はしょってます。
個人的な経験では、結局使ってみる、のが一番。自分はフレームサイズ520のTREKにのっています。つるし、では90mmのステムがついてました。ではじめはそのままのっていて、ロードバイクになれてきたら、まずはスペーサーを調整してハンドル高をさげてみました。このポジションになれてからステムの天地をひっくり返し(よりハンドル高さが低くなる)。これでもハンドルが近い、と感じるようになってステム交換。100mm,110mmとためして、最終的に現在の100mmに落ち着きました。(この過程はショップに相談しながら)信頼できるショップで相談しながら調整していくのがよいと思います。実際に走っているところを見てもらえる、練習会を開催しているショップがよいかと。